わたしとインターネット
はてなインターネット文学賞「わたしとインターネット」
それはいつから存在していていつから私の側にあったのだろうか。
いつの間にか生活に入り込んでいたそれは今となっては多分に先を行く存在だ。
あの頃私は時代の中心にいるような、否、先端を行くような気分でいた。
流行りの服を着て流行りの機器を扱う。
未来は希望に満ち溢れ、何者にでもなれる気がしていた。
それが今はどうだろう。
時代に取り残され、何者になり得たのだろうか。
それはいとも簡単に他者とコミュニケーションをとり、ボタン1つで買い物ができ、ただの一声でなんでも調べてくれる。
様々な行程や労力を省略してくれるそれにより、人類は進化したのか。
それとも退化したのか。
私はそれに飲み込まれないようある一定の距離を取りながら、生活している。
依存せずしかし頼りにはしている。
まだまだ進化し続けるそれを私は同じ場所から傍観しているだけ。
主役だと思って生きてきた人生もいつの間にか誰かの人生の脇役になっていた。
いや。
違う。
いつだって私の人生の主役は私のはずだ。
進もうとせず留まっていたのは私自身だ。
変化を受け入れよう。
進化を尊ぼう。
学ぼう。
恐れず進もう。
まだまだ未来は明るい。
何者にでもなり得る。
生きよう私の人生を。
書き残そう。
私の。
人生の。
物語を。