清水の舞台から飛び降りる
今日は土用の丑の日!
我が家ではここ数年うなぎを食卓では見かけません。
いつの間にこんなに高騰してしまったのですか!
高いから高いからといつの間にか敬遠するようになり、スーパーにうなぎが並んでいてもそれはもはや風景と化していて、立ち止まることもなく、目に留まることもなく。
今年もまた丑の日だからといってうなぎを食べるつもりもなく、ただの日常として過ぎるつもりでしたが。
今日を迎えるまで、テレビやスーパーなどで嫌でも入ってくるうなぎ情報。
いやいや、私は洗脳されないぞ。
丑の日だからって………。
いや待てよ?
ふと立ち止まって考える。
高いからといって敬遠していたら、このまま一生うなぎを食べることなんてないのでは!?
丑の日だからと言って食べないなんて言ってたらもう2度と食べられない。
最後にうなぎを食べたのはいつだっけ。
さよならも言わずにお別れなんて。
むしろ今日食べなきゃ一体いつ食べるんだ!!
よし!!
今日!!
うなぎを!!
食べよう!!
私は決意した。
清水の舞台から飛び降りる気分だった。
仕事が終わったら急いで買いに行こう。
それからは仕事中もうなぎのことで頭がいっぱい……になりそうなのを抑えて、頭の片隅にそっと置いておいた。
仕事後、最寄りのスーパーまで車を走らせる。
もう売り切れかもしれない。
駐車場に車を停めると、買い物を終えたであろう人が店から出てきた。
手には
うなぎ
のタレ!!!
思わず二度見した。
やっぱりタレだけ!
赤いふたのあれ!!
やっぱりもう売り切れかな。
あの人はタレだけ買ってごはんにかけるのかな。
それも手か…。
一縷の望みに懸けながら店内へ。
うなぎ売り場。
うなぎは………
ない…………。
思わずタレに手が伸びる。
いやいや、諦めてはいけない。
時刻は18時半。
もう一店舗だけ回ってみよう。
またまた車を走らせる。
店に到着。
車はまばら。
店内へと急ぐ。
気持ちが逸る。
うなぎコーナーの旗の袂。
うなぎは……
あったー!!!
少々値が張る。
致し方ない。
普通サイズに見えるが特特大と書いてある。
特大ではなく特特大。
閉店間際だったから店内にあったけど、店頭で炭火で焼いてくれたのかな。
よくやってるよねあれ。
いつもは素通りしてたけど
今日はかごに入れちゃうよ。
香ばしいのがいいから焦げ目が多いのがいいな。
決意がにぶらぬようレジまで急ぐ。
あぁ何年振りだろう。うなぎがレジを通る。
感慨深い。
さぁ家路を急ごう。
ごはんは朝予約しておいたから炊けてるはず。
まさかお供がうなぎになろうとは、今朝の私には思いもよらなかっただろう。
にんまりしながらうなぎを温めようとパックを手に取る。
パックを握る親指がラップの上からうなぎに触れた。
え?
この感触………。
この冷たさ………。
…………………。
いや冷凍かい!!!!Σヽ(゚∀゚;)
(´;ω;`)